事業承継の手続きと流れについて

事業承継は、企業が、その経営を引き継ぐという重要な手続きです。

しかし、事業承継は、手続きが複雑で、手続きを理解した上で計画的に進める必要があります。

そこで、この記事では、事業承継の手続きとその流れについて詳しく解説します。

事業承継の手続きの流れと注意点

事業承継は以下のような流れで行われ、各段階ではそれぞれ注意点があります。

事業承継の計画策定

事業承継を行う際、最初に行うことは、計画の策定です。

承継を成功させるためには、明確な目標を持ち、何をいつ、どのように行うかを具体的なスケジュールの元、計画する必要があります。

特に、後継者選びは重要で、経営者としての適性や意欲を考慮し、承継後の会社にとって適切な人材を選定します。

事業承継の準備

次に、事業承継に向けた準備を進めます。

準備には、事業の「見える化」が重要で、財務状況や経営戦略、取引先との関係などを後継者にしっかり引き継げるよう、整理しておく必要があり、従業員や取引先への周知も欠かせません。

また、事業承継には、相続税や贈与税の問題が伴うため、これを考慮した対策を講じる必要があります。

事業承継の実施

事業承継には、主に以下の3つの手法が存在します。

• 家族内承継
• M&A
• 従業員承継

どのような手法を用いるかにより、法的な手続きや税制上の留意点などが異なります。

また、家族内承継や従業員承継は、現経営者と近しい人物が事業を継承するため、従前の社風や経営戦略が維持しやすい一方、M&Aは、外部の者が事業を承継する可能性があるため、従前の社風や経営戦略が維持されない可能性があるというように、事業承継の手法の違いは承継後の会社の方向性にも影響を及ぼすため、慎重に手法を選択する必要があります。

承継後のフォロー

事業承継は、完了後も継続的なサポートが必要です。

新しい経営者が企業を安定して運営できるよう、前任者が一定期間アドバイスを行うのが一般的です。

取引先や社員との信頼関係を維持するためにも、前任者が一定程度サポートすることが重要といえます。

まとめ

事業承継には様々な手続きがあり、後継者の選定、財務整理、税務対策など、注意するべき点が多岐にわたります。

したがって、事業承継を検討する際は、一人で抱え込むのではなく、事業承継を数々経験し、法的な手続きにも精通している司法書士等の専門家に相談することをお勧めします。