家族内承継の注意点

家族内承継とは、経営者が親族に会社の経営を引き継ぐことを指します。

もっとも、家族内承継には親族に経営を引き継ぐが故の問題点が生じることがあります。

そこで、この記事では、家族内承継の際に気をつけるべき注意点を詳しく解説します。

承継者の選定の際の注意点

家族内承継で最も重要なポイントは、誰が後継者となるかの選定です。

家族内には複数の候補者がいる場合が多いため、全員が同意できる形で承継者を決めることが理想的です。

しかし、後継者争いによる親族間の対立が生じることも少なくありません。

その場合、単に年長者だからという理由のみで選ぶのではなく、能力や適性、そして本人の意欲をしっかりと見極めることが重要です。

事業承継計画の策定の際の注意点

家族内承継を成功させるためには、具体的な事業承継計画が欠かせません。

これには、承継のスケジュール、財務状況の整理、税金や法的手続きなどが含まれます。

家族内承継では特に、相続税や贈与税の負担がかかる場合が多いため、これらをできるだけ節約するために、法律の専門家である司法書士に法的なアドバイスを求めることも1つの手段といえます。

情報共有の際の注意点

承継者がスムーズに経営を引き継ぐためには、事業の内容や状況を十分に理解している必要があります。

特に、経営の核心となる情報（取引先との関係、財務状況、会社の文化など）は、事前にしっかりと共有する必要があります。

社内外への対応

家族内承継の場合、社内外への周知や信頼の維持も大切です。

社員や取引先に対して、承継について明確に説明し、信頼関係を保つ努力をする必要があります。

特に、家族経営の企業では、家族を優遇していると思われかねないため、なぜ承継者に承継することになったのかについて詳しく説明し、承継者が新しい経営者としてふさわしいことを社員や取引先に示すことが重要です。

経営権や財産権の分離

家族内承継においては、経営権や財産権をどう分けるかも重要なポイントです。

全ての財産を後継者に相続させるのではなく、他の家族とのバランスも考慮しながら適切に財産の分割を行うことが必要です。

これにより、家族内の不満や対立を回避できる可能性が高まります。

まとめ

家族内承継は、その性質上、家族内外でトラブルが生じやすいといえます。したがって、財産、経営権や外部へのふるまいなど様々な部分に配慮する必要があります。したがって、家族内承継を検討する際は、事業承継に多く携わってきた司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。