普通養子縁組と特別養子縁組の違い

養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組の2つがあります。

両者は似ているようで、手続きやその内容に様々な違いがあります。

そこで、本記事では、これから養子縁組を考えている方に向けて、普通養子縁組と特別養子縁組の違いについて解説します。

普通養子縁組とは

普通養子縁組は、その名の通り一般的な養子縁組です。

普通養子縁組では、養子は養親の戸籍に入りますが、実親との法律上の親族関係はそのまま維持されます。

つまり、養子には実親と養親の両方の法的な親族関係が存在することになります。

特別養子縁組とは

特別養子縁組とは、養子と実親との関係を切り離し、養親との間に新しい親子関係を形成する養子縁組です。

この制度は、家庭環境に問題があるなどの理由で、実親のもとで育てられるのが不適当な子どもに、安定した家庭環境を提供することを目的としています。

普通養子縁組と特別養子縁組との異動

普通養子縁組と特別養子縁組の違いとして、以下の点が挙げられます。

実親との関係

普通養子縁組の場合、養子が養親の戸籍に入った後も、実親との法律上の親族関係は継続します。

したがって、実親からの相続権もそのまま維持されます。

一方、特別養子縁組の場合は、実親との親族関係は解消されます。

これにより、実親からの相続権を失うことになります。

養子の年齢

普通養子縁組の養子の対象に限定はありません。

年齢制限がないため、成人でも養子になることが可能です。

一方、特別養子縁組の養子は、特別養子縁組の請求の際に15歳未満である必要があり、成人は特別養子縁組の養子となることはできません。

実親の同意

普通養子縁組の場合、原則として実親の同意は不要です。

一方、特別養子縁組の場合は、父母が同意することができない場合といった例外を除き、実親の同意が必要です。

離縁

普通養子縁組では、養親と養子の間で離縁することが可能です。

双方の合意があれば、家庭裁判所を介さずに離縁することもできます。

一方、特別養子縁組は家庭裁判所の許可がなければ離縁することができません。

家庭裁判所の関与

普通養子縁組は当事者の届け出により、縁組が成立します。

一方、特別養子縁組は、家庭裁判所の許可を得なければ成立しません。

養親の年齢

普通養子縁組は、20歳以上であれば、養親になることができます。

一方で、特別養子縁組の養親は、夫婦双方が25歳以上、もしくは夫婦の一方が25歳以上でもう一方が20歳以上である必要があります。

まとめ

普通養子縁組と特別養子縁組は、内容や成立要件などに様々な違いがあります。

どちらの養子縁組が適しているかは、子どもの利益を最優先に考え、家庭環境等に応じて慎重に判断することが重要です。

また、これらの判断が難しい場合は、司法書士等の専門家にアドバイスを受けることをお勧めします。