相続手続きの流れについて

相続手続きは、故人が残した財産や債務を法定相続人に分配するための法的手続きです。

相続の状況により複雑さは異なるためスムーズに進めるために、基本的な流れを理解しておくことは重要です。

本記事では、相続手続きの一般的な流れについて詳しく解説します。

相続手続きの流れ

相続手続きの一般的な流れは以下の7ステップです。

• 死亡の確認と届出
• 遺言書の確認
• 相続人の確定
• 相続財産の調査
• 遺産分割協議
• 相続税の申告と納付
• 名義変更手続き

次に、それぞれ詳しく解説します。

死亡の確認と届出

相続手続きは、相続人が故人の死亡を確認し、市区町村役場に死亡届を提出することから始まります。

死亡届は、故人が亡くなった日から7日以内に提出する必要があります。

遺言書の確認

故人が遺言書を作成していたかを確認します。

遺言書が存在する場合、家庭裁判所で検認の手続きを行い、遺言書の内容に従って遺産分割を進めます。

検認は遺言書の内容を確認するための手続きであり、遺言書が公正証書遺言であったり、法務局で保管されていたりした場合には検認は不要です。

相続人の確定

相続人が誰であるかを確定するために、故人の戸籍謄本や住民票を取り寄せ、相続人調査を行います。

相続人には配偶者、子ども、親、兄弟姉妹などが含まれますが、相続順位は法律で決まっており、一次相続人から順に確認していきます。

相続財産の調査

相続財産の内容を把握することは、相続手続きの重要なステップです。

故人の財産には、主に以下5つあります。

• 不動産
• 預貯金
• 株式
• 債権
• 投資

財産を調査する際には、銀行口座の明細書や不動産登記簿を取得し、債務も含めた財産の全容を把握します。

遺産分割協議

相続人が複数いる場合、遺産分割協議を行い、財産の分割方法を決定します。

全ての相続人が合意する必要があるため、慎重な話し合いが求められます。

合意が得られたら、遺産分割協議書を作成し、全員が署名・押印します。

相続税の申告と納付

相続財産が一定の金額を超える場合、相続税の申告が必要になります。

相続税の申告期限は、故人が亡くなった翌日から10か月以内です。

名義変更手続き

遺産分割が決まった後、相続財産の名義変更手続きを行います。

不動産の場合は法務局で相続登記（所有権移転登記）を行い、預貯金や株式の場合は金融機関に届け出て名義を変更します。

これにより、正式に相続人は財産を引き継ぐことができます。

なお、相続登記は2024年4月1日から義務化されました。

その不動産を相続したことを知った日から3年以内に、法務局で相続登記の手続きを行う必要があります。

​​預貯金や株式の名義変更は、金融機関ごとに異なりますが、多くの場合、相続開始から10年以上経過すると手続きが難しくなり、預金が休眠口座として扱われる場合がありますので早めに手続きをすると良いでしょう。

まとめ

相続手続きは、故人の財産や債務を引き継ぐための重要なプロセスです。

遺産分割や相続税の申告、名義変更など、複数のステップを経て完了します。

相続人の状況や財産の内容によって手続きの難易度が異なるため、相続手続きをスムーズに進めるために、司法書士に相談することをおすすめします。